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疑問
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ユキトは夢かと勘違いしそうになる。
自宅へ通じる人気のない道。水族館の帰りに、南倉に降ろして貰った場所。
あの日と同じように車を停め、その横に探偵は佇んでいた。
「南倉、さん…」
ユキトは力なく、もう口に出さないだろうと思っていた名を呼ぶ。さっきまで号泣していた声は思いのほか正常だった。
二度と会えない人がすぐ傍に居るものだから、ユキトは茫然と立ち尽くす。その間に南倉は歩み寄ってくる。逆光なので表情は見えないけど、夕日を浴びた探偵の髪は一層キラキラ輝いていた。
けれど。
「え…うわッ」
いきなりユキトの腕が、その手に強く捕まれる。そして力任せに引っ張られた。
吃驚した中学生は反射的に抵抗するが、成人男の力に敵う筈もなく。つんのめりながら、開けられた車の後部座席に投げ入れられた。痛くはないが現状に付いていけないユキトは車の振動にすら驚く。
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