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疑問
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「な、南倉さ…」
バンッとドアが閉まる音がして目を向けると、南倉も後部座席に乗ってきていた。そして横たわるユキトの上に覆い被さってくる。
見上げた探偵は、いつも多弁なのにずっと無言だ。別れを告げたばかりのユキトは動揺する。訳が分からなかった。分からなかったが、一つ気付けた。
――南倉さん…怒ってる…?
二週間ぶりの探偵の端正な顔は、能面のように表情が失われていた。でも何となく、ユキトはそう察せた。
なので更に混乱する。どうして南倉が怒っているのか分からない。急に契約を破棄する事は業界的にタブーなんだろうか。
「あの、なく…ッ!!」
元依頼人の言葉は、探偵の口内に吸い込まれた。
突然のキスにユキトは硬直する。しかし、お構いなしに青年は少年の中に舌を捩じ込み舌を捉えた。無遠慮に荒く絡んでくる。
「っ…やッ、なくらさ…っなに、!……っ」
我に返ったユキトは懸命に顔を逸らそうとするが南倉に顎を固定される。
今までのキスが可愛く思えるくらいに深く貪られる。吐息をつく隙も、唾液を飲み込む暇も与えられずだらしなく口の端から流れた。余裕の無いキスにユキトは窒息しそうになる。
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