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発覚
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「買い物に行くから」と長谷部に適当な所で降ろしてもらった後、ユキトはタクシーに乗り換えた。探偵事務所に行くときは徒歩で向かうが、今日は少し勝手が違う。
――なんで南倉さん、こんなとこに?
昨夜来たメールで南倉と会う約束をしたが、とある場所を指定された。
いつもの事務所でなく、隣町にある工場地帯の外れの入りくんだ住宅街。いったい何の用があるのだろう。目的地に向かうタクシーの中でユキトは首を傾げる。
「ユキトくん、こっち!」
南倉は既に待ち合わせ場所で待っていた。タクシーを降り不安顔で歩いていたユキトはホッとする。知らない道は心細い。
小走りで探偵の傍まで行くと南倉に引き寄せられ抱きしめられた。ユキトの心拍数が有り得ないほど上がる。こういう時に、恋人同士になったのだと実感する。
「一人で来させてごめんね。迎えに行きたかったんだけど、張ってたから」
優しい詫びにユキトは急いで「いえ」と返す。なんだか南倉が時任ばりに心配性になった気がして少し可笑しかった。
「あの、張ってたって?」と率直な疑問を口にすると探偵は声のトーンを低くする。
「『彼女』を暴行した男達が見付かったよ」
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