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発覚
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ドクッとユキトの心臓が大きく鳴り、地面から足を押し上げられる感覚がした。血管を波打つ音が早くなるのを自覚する。
ついに来た。そう思った。南倉なら見付けてくれる、そんな根拠のない自信があった。
「ん、こいつらね」
顔色を変えた依頼人に探偵は四枚の写真を差し出す。隠し撮りと思われるそれは、それぞれ一人ずつ、計四人の20代と思われる若い男が写っていた。
ユキトの表情が険しくなる。DVDの画面上に映っていたのは三人だったが、一人は撮影者という事か。
「探偵にも横の繋がりがあってさ、同業者に例の画像を見せて協力を扇いだんだ。どうもコイツら手慣れてるから、もしかしたら同様の前科があるんじゃないかと思ってね。もちろん彼女の顔と声は加工して分からないようにしたから安心して」
睨みつけるように写真を注視する少年に探偵は説明する。
そこでユキトはようやく顔を上げた。可愛い形容の顔立ちを一途に引き締める姿の前で、南倉は淡々と続ける。
「アタリだったよ。その時は証拠不充分とかで逮捕には至らなかったみたいだけど。というか警察がまともに取り合わなかったみたいだ。日本は性犯罪に寛容すぎるね。…繰り返す類いの輩だと分かってるだろうに」
ユキトは俯く。稲田の件を言ってくれているのだ。唇を強く噛みしめる。
「指に特徴のある奴が一人居たから同業者も速攻で確定をくれたよ。いわゆるヤクザの下っ端組ってヤツね。残念ながら一人は行方不明だけど」
「え?」
南倉の言葉にユキトが眉をひそめると、探偵は「コイツね」と写真の一枚を指差した。
細くつり上がっている狐目の男で、一目で堅気じゃないと分かる。ヤクザと母が関係を持っている事実に目眩がする。
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