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逃亡
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ユキトはゾッとした。いつも持っていた大切な自分の御守りに、犯人が触れた。だから、南倉は御守りを手放す時を訊いたのか。
という事は――
自分を恨む人間は、やはり直ぐ傍に。近くに、いる。
「ユキトくん。これはメッセージなんだよ」
青ざめ、震え出すユキトの両肩を南倉は力強く掴む。現実を言い聞かせるように、しっかりと少年と目を合わせた。
これは探偵の完全な落ち度だ。考えが甘かったのだ。南倉の脳裏に狐目の遺体が蘇る。ろくに食事を与えられていなかったらしくヤクザの下っ端は酷く痩せていた。あの状態では、いくら若い健康な男と云えど海に突き落とされては一溜まりもなかっただろう。
――この子を、同じ姿にさせてたまるか
「次はキミだっていう、犯人からのね」
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