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逃亡後・南倉
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その通りだ。
甘く見ていたからこそ、防犯ブザーなどという曖昧な物だけでユキトを防護していたのだ。正直、嫌がらせだけで終わると思っていた。
でも、誰が思う?御曹司とはいえ大人しい無害な中学生を、誰かが本気で恨み殺そうとしてるなんて。
「お前なら予想できる?」
南倉の問いかけに『まぁな。親ならまだしもだな』と同業者は応えた。
ユキトの両親――特に母親の実家の事は竜も知っている。含みのある言い方を南倉はスルーして口を開いた。伊達に同じ探偵ではないという事らしい。
「…犯人は思った以上に厄介だよ」
頭がいい。いや、先手を取るのが上手い。
この事務所は盗聴不可――ユキトがガラクタと称しているものがその役割を担っている――だ。妨害手段を取らず男のアパートに行ったのは不味かったが、それでもこちらの行動を予測している節がある。
それは犯人が、ひとえにユキトの性格を知り尽くしているからだ。
「性格も最悪」
そう、ただ頭がいいだけなら手の打ちようもある。
しかし懇意の者には激情型の少年にDVDを送って、その行動を確実に楽しんでいる。南倉自身も振り回されている感が否めない。
――掌の上で、踊らされてる
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