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対峙
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ユキトはうっすらと目を開けた。
途端に、少し離れた場所で点いているライトの眩しさに顔を背ける。
ここはどこだろう。そう思う前に、失神する前の状況が脳裏に再生された。
――俺、捕まったんだ…
犯人に。
ユキトは急いで体を起こそうとして、障害を感じ振り返る。
座る自分の両腕が、錆びた細い柱を挟んで後ろ手に縛られていた。太い縄らしく、引っ張ってみてもビクともしない。
仕方なく辺りを見回してみる。
どこかの潰れた工場跡のようで、窓ガラスがあちこち割れていた。その向こうに見える空は暗く、昼前で記憶が途切れているユキトに世間はもう夜なのだと教えた。
ジャリッ。
ライトの光を受け、人影が現れる。見えなかっただけで、きっと近くに居たのだろう。
照らされた顔と目が合ったユキトは不思議と落ち着いていた。予想していたからかもしれない。
「やっぱり貴方だったんですね…」
ユキトの言葉に『犯人』は愛想よく微笑み口を開いた。撃った時任と同年代であろう顔で。
「『やっぱり』に至った過程を教えて下さいますか?『ユキト坊っちゃん』」
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