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対峙
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びくん。
長谷部と南倉の声は似ていない。
ついでに目以外の顔も似ていない。どちらも端整ではあるけれど、全く似ていない。口調を真似されただけ。
なのに。
――やだ…やだやだや
「、――――っ!!」
腰から脳天までを電流が一気に駆け上がる。
ユキトの体は陸に揚がった魚の如く跳ね、声もなく吐精した。濡れた感触が下着に広がる。
――嘘……
達した後の虚脱もあれど、ユキトはショックで放心した。
イってしまった。南倉ではない男の手で。しかも、稲田たちを苦しめた犯人の手で。
自分を『ユキトくん』と呼ぶのは恋人だけだけど。
でも、だからって。
「…ぅ……く」
どうしようもなく、悔しい。自分を殴りたい。
ユキトの視界がぼやけ、目の淵に涙が溜まる。でも長谷部に泣き顔をこれ以上晒したくなくて、御曹司は固く冷たい地面に突っ伏した。埃の臭いと涙のせいで鼻がツンとする。
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