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家庭内事情
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「疲れた…」
多忙で家を空けがちだが、在宅の夜は必ず父はユキトを抱く。確か初めては8歳くらいだったな、と現在14歳の彼はボンヤリと黒い過去を回想した。
そう、彼はボンヤリしながら自室への廊下を歩いていた。だから、左頬に突如訪れた熱い衝撃を全く避けられなかった。
勢い余ってユキトは壁にぶつかる。その時になって、殴られたのだと理解した。パアンッという小気味良い音が長い通路に反響していく。
「またあの人に抱かれたのね…ユキト」
「おかあ、さ…」
薄暗い中でも母親の顔はよく見えた。それなりに美人な筈なのに、つり上がった目と歯を剥き出しにして噛み締めている事で鬼のような形相になっている。
ユキトは後ずさりもせず立ったまま。この場合、逃げたら余計ダメなのだ。振り上げられる手を瞬きもせず見つめる。「このッ泥棒猫!」と安っぽい昼ドラみたいな言葉を吐き、母はユキトを連続で平手打ちする。
「色目使いやがって…このクソガキ!」
「ちが、お母さんっ、おれ…僕はッ」
「うるさい口答えするな!あんたなんて産まなけりゃ良かった!!」
――いやいやソレこっちのセリフ
俺もこんな家に産まれたくなかったし
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