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小包
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「お帰りなさいませ、坊っちゃん。体調の方は如何でしたか?」
ユキトが帰宅すると、誰よりも先に時任が迎えてくれた。そして少年の体を甲斐甲斐しく気遣う。
稲田が居なくなってから執事は一層過保護になった。使命感を背負わせているようで申し訳ない。ユキトが強くなりたい一因は、ここにもある。
「本日は旦那様はお帰りになりませんので、ごゆっくりお休み下さい」
「…ありがとう。時任さんもね」
ユキトは冗談抜きで時任が心労でハゲてしまわないか心配している。せっかくの男前なのだから、それだけは阻止しなければ。
その為にもやはり部活に入ろう、これ以上心配させちゃいけない。そう決心をしつつユキトは一人自室に入りかけた。が、その時メイドに呼び止められる。
「へ?お…僕宛に?」
ドアノブから離したユキトの手に、メイドが「ええ」とソッと小包を渡した。滅多に自分に郵便物など来ないのでユキトは面喰らう。
「先ほど届きました。メッセージカード付きですので、お誕生日プレゼントかと」
「え、でもまだソレだいぶ先…あ、ホントだ」
透明の包装に透けて「HAPPY BIRTHDAY」と書かれたカードが見えた。
そこでハッとしたユキトはメイドに早口で礼をし、急いで小包と共に自室に入る。
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