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その男
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「まあまあそんな怖がらない怖がらない。俺プロだからさ、お客には手を出さないよ。割と男にしか勃たないけど」
サラッと爆弾発言があった気がするが、最後から二行目の言葉を信じてユキトは無我になる。その成果か、彼は大変な事に気付いた。
「すみません僕、今ぜんぜん持ち金なかったです!」
探偵事務所の仕組みなど知らないが、相談するだけでも現金は取られるだろう。
オロオロするユキトに、しかし南倉は「いいよ要らない」と飄々として言った。
「俺がナンパしたしね。…さ、何をお悩みですか?口の固さは商売柄鉄壁なので心配せずどーぞ」
あまりにも美味い展開にユキトは警戒する。
でも、確かに偶然の産物だし相手はプロだ。それにユキトは、何かしらの力が欲しかった。
覚悟を決める。稲田の名前は勿論出さなくて良い筈だ。『大切な人』と例えて――別に例えでもないが、事情を全て暴露した。
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