アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
その男
-
「そんな…」
ユキトは崖から突き落とされたような錯覚に陥る。
そんな、色んな恥を忍んで勇気を振り絞ったのに。希望が見えたと思ったのに。
南倉は「ていうかさ」と目を細めた。
「そんな大勢殺してキミどうするんだ?自己満足?よく考えなよ、バレないとでも思ってる?彼女の傷が癒えるでも無いし。自分の両親への恨みを彼女の為とか言って転嫁してない?」
「なっ…違います!」
「そ?まーでも、とにかく協力は出来ない」
ユキトは喉を詰まらせる。正直ここまで来て、この人を諦められなかった。脳をフル回転させる。
――考えろ、どうしたら大人が動くのか。見てきただろ。権力者の親の周りを
「…失脚」
「ん?」
ぽつっと呟かれた少年の言葉に、インスタントコーヒーを啜っていた南倉は目を上げた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 229