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その男
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「ん……っふ、…ぁ…」
クチュ、クチュと唾液の絡む音と吐息が二人の間から洩れる。
ユキトの体の芯が痺れ力が抜けてきた頃、南倉は透けた糸を引いて唇を離した。
「…感じちゃった?巧くてゴメンね」
「っ…!手は、出さないプロじゃなかったのかよ…」
14歳の惚けた顔を見て南倉がクスリとする。ユキトはカッとなって悪い大人から離れた。急に立ち上がった為ふらついてしまったのを、背後で忍び笑いされイラッとする。
床に置きソファに立て掛けていた鞄を持つと、荒々しい足取りで――しかし散乱した物にぶつからないように――ドアに向かった。
「またね?ゴチソーサマ」
外に出て徐々に閉まっていく扉の向こうから、良い笑顔で南倉が茶化した。「最悪!」とユキトは怒鳴ると両手でドアを力の限り押す。
バンッと閉じた強い音が、古いビルに虚しく谺していった。
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