アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
調査開始
-
『最悪』呼ばわりをしてしまった邂逅だったが、結局ユキトは南倉を頼るしかなかった。
後日の休日、少年は例のDVDを持ち再び探偵事務所を訪れた。相変わらず年期の入ったビルの階段を昇り、古い鉄の――所々へこんでいるのが微妙に怖い――ドアの前に立つ。
くすんだ色のインターホンを押すと、『ピンポーン』の『ピン』あたりで主が開けた。玄関で待ち構えていたんじゃないかと思える早さで、ユキトは薄ら寒くなる。
「窓からキミが来てんの見えたんだよ」
客人がドン引いてるのを察した南倉が意地悪くニヤッとする。
やっぱ最悪、とユキトは心中で吐き捨て「こんにちは」と無愛想に挨拶した。前回のようにつま先立ちで歩きネコの横に座す。
「ふーんコレか…一般的に広く流通してるメーカー品だね。これから特定は難しいかな」
DVDを渡した直後にこう言ってのけた南倉にユキトは目を見張る。探偵はジロジロ円いディスクを物色しつつ続けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 229