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調査開始
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南倉は五時間ほどで戻って来た。ユキトはその時間が、つまりは稲田が被害に遭っていた時間なのだと思い自棄になりかける。「途中何度か見返したから」と言われても浮上できる訳も無かった。
「まーしかし酷かったね。あいつら彼女が気絶しても叩き起こして何度も」
「やめて下さい!!」
南倉の言葉をユキトは弾けるように叫び遮る。「言わないで…」と強く目を瞑った。そんな残酷な事実を聞きたくなかった。
現実逃避する依頼人に「あのさ」と南倉はハアと息を吐く。
「キミ、そんな軟弱で復讐とかやってけるの?」
「そっ…れは、今鍛えて…運動部にも、入ろうかと」
弱点をつかれたユキトがギクッと目を開け、しどろもどろに応えると「違う違う」と探偵は首を横に振る。珍しい髪色がサラリと舞った。
「俺が言ってるのはメンタルの方。復讐は一度始めたら引き返せないよ。辛くなったり怖くなっても止めれない。もし途中で投げたりしたら、それはキミの『大切な人』も裏切る事になるから」
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