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ところが。
「…ぷっ、あっはははは!」
非道にも南倉は爆笑した。
思わぬ反応に「なッ、なんで笑うんですか!」とユキトは厳しく非難する。「ゴメンゴメン~」と探偵はふわふわ笑って詫びた。こんなに言葉と表情が伴っていないナメた謝罪も珍しかった。
「やっと地が出たなと思って。ユキトくんの一人称、本来『俺』だろ?『僕』って言うとき一瞬詰まるもんね」
「あ…」
「人によって言い換えてたんだろうけど、それって結構カンジ悪いよ?キミなりの処世術としても、猫かぶりは分かる人には分かるから程々にね。箱入り息子なクセに強がって口が悪いのは可愛いと思うけど」
かああ、とユキトは赤面する。まったくその通りだった。
言い当てられた彼は反省する。確かに自分が『区別』されたら良い気はしない。「ごめんなさい」と謝ると南倉は苦笑した。
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