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探偵と依頼人
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「あっ!南倉さんまたお酒!?」
ユキトは事務所に入るなり呆れる。テーブルに大の字に寝そべっている――ここがベッド代わりらしい――探偵を発見したからだ。
「起きて下さい風邪引きますよ」と、何も掛けずに寝ている南倉を揺さぶると「んー…嫌」と成人男はぐずった。
「だって頭痛いかも。病気だよ…しんじゃう」
「安心して下さいきっと普通に二日酔いです。ホントどうして弱い癖にお酒呑むんですか?」
「ユキトくんだってジュース飲むでしょ?その理由と同じだよ…」
それはそうかもしれないけど、と屁理屈を捏ねまくる探偵にユキトは溜め息を吐く。つい先日、他人を『ガキ』呼ばわりした当人が完全なるガキと化していた。
テーブルの下には缶ビールが転がって中身が床に零れている。南倉は一缶も呑みきれない下戸なのに、無類の酒好きという困った人種だ。作り物みたいに綺麗な顔は未だほんのり赤い。
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