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探偵と依頼人
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しかし付き合いの浅い少年はイマイチ理解していなかったのだが、ここで本当に燃やせるのが南倉という男だった。
「だよね」とノンビリ言うとジッポで火を点ける。灰皿の上でメラメラ燃えていくカードに「うわああ!」とユキトは叫んだ。
「えっ何?要るんだったの?焦らしプレイだったの?ハイレベルすぎてオニーサンわかんない~」
「ちがっ、けど!だってソレ、証拠品、じゃ」
「何も出ないものは証拠品にすらならないゴミだよ。『自分が送りました~』って犯人が自供しない限りはね。こんな悪趣味な人間がそんな殊勝なタイプとは思えないけど?既製品じゃないから出元追えないしさ」
ユキトは黙った。それはもう、ぐうの音も出なかった。
灰になっていくカードを神妙にガン見する。しかし、その前で南倉は気楽に鼻唄を歌う始末だ。探偵の神経を疑いつつ、しかし少年はふと気付く。
「その曲、童謡ですよね?」
聞いたことがあったユキトの問いに南倉はキョトンとする。そして、嬉しそうに「そうだよ」と破顔した。
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