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苦手なこと side翠
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「翠!!!」
「っ…ゃ!…」
突然大きな声で名前を呼ばれて驚く。
思わず部屋の隅にうずくまって身を隠す。
とは言っても、隠れる場所なんて当然ない。
どんどん足音が近ずいてきて、部屋の鍵を開けた。
「っ、ぃや…やだ…!」
来ないでと必死に訴えるが全くもって聞いてくれない。
「ったく、施設戻ってくんじゃねーよ、うるせーな」
そう言うと俺を蹴った。
「げほっ…ごめん…さい、ごめんなさい 言うこと…っ…きく、から。蹴らない、で」
「じゃあ、早く歩けよ」
ほら早く。と、もう一度蹴られた。
「っ…どこ、いく?…ますか」
「風呂。出たらすぐ施設長のところ」
施設長、お風呂。
どちらも俺が苦手なこと。
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