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相談
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院内の自分の部屋で時間を潰す。
暇だったので、休日にも関わらず自分の担当の患者さんと話した
資料をまとめたり、話をしたり、2時間は想像以上に早くすぎた。
2時間たったことを確認して自分の部屋を出る。
廊下をしばらく歩くと柚の診察室の前にきた。
診察室でありながら、柚は皆に気軽に来てほしい。と、かわいい飾り物や折り紙を壁に沢山貼っていた。
そのドアをそっと開くと、寝ている柚とその寝顔を見ている亮がいた。
『二時間経った?』
と、口パクで伝えられる
うん。と頷くと
『さっき、やっと寝られたの。あと30分待っててくれない?ここにいていいから』
と、言われた。
別に急ぎのようでもないのでわかったと了承した
部屋を見渡すと感謝の手紙や絵、家族で写った写真、心理学の本などたくさんのものがあった。
散らかっているわけではなく、綺麗に飾られている
『そこ、座ってていいよ』
と、パイプ椅子を指した
言われた通り座っていると
「ぃやっ…いた、い…っひ、」
と、苦しそうな声が聞こえた。
ちらっと声のする方に目をやるとやはり柚の声だった
『大丈夫だよー、怖くない。何も無いよ』
と、直ぐに亮がフォローに入った
柚を起き上がらせて抱きしめるような形になる。
「触んな…で!」
『柚?ちゃんと目、見て。怖くないから』
「うっ…り、亮…?」
『そう、怖くないだろ?』
うん、と小さく頷いた。
その後慌てたようにきょろきょろして時計を探す
「亮…!2時間!過ぎちゃってる!どうしよう、だから寝るの、嫌なのに…」
謝れば許してくれるかな?
と、必死に亮に確認をしている。
『誰も怒らないから、大丈夫。てか遊、寝てて良いって言ってたし。な?』
「おう、おはよう。大丈夫か?」
「……あ。…え?」
柚が固まった
「み、見てました?」
亮が俺だけに見える角度で首を横に降ったので、見ていなかったことにした
「いや、今来たばっかりだし何も見てないよ」
「あ、そっか」
なら大丈夫だと思い直したのかいつもの柚に戻る。
「遅れちゃってすみませんでした」
ふふっと困ったように笑う顔は何でも許せてしまえる気がする
「いや、大丈夫だよ」
「ありがとうございます。それで?相談って何ですか?」
「あー、ちょっといいずらいんだけどさ」
「大丈夫ですよ。ちゃんと聞きます」
そう言うと、急かすわけでもなく目を見てにこにこしている
こういう所は精神科医だなぁと感心する
「俺、施設で子供を引きとりたくて」
「うん」
「引き取りたい子も決めたの。だけど、その子虐待受けててさ。まだ、施設から預かってはいないんだけど、もし引き取ったらちゃんと理解してあげられるかなーってちょっと不安で。」
「な、なるほど」
うんうんと、頷いているけど顔色がさっきより悪くなった
「で、なんかそいつご飯も食べられなくて、夜も寝られないらしいんだよ。言っちゃ悪いけど雰囲気が柚と似てて、だからなんかアドバイスとかあるかなーって」
「あ、アドバイス、ですか…」
黙ってしまったので話をふってみる
「柚はご飯食べれない時とかある?」
「いや、まぁ」
「そう言う時、どうしてる?」
「え、っと…亮が、食べさせて、くれる」
「どーやって?息できなくなったりしない?」
「どーやってって…まぁ、それなりに」
「お願い、人助けだと思って!教えてください!」
「亮〜、俺この人きらーい」
とふざけて笑う。
まぁこんな、ご飯を食べさせてもらう時のことなんか聞かれて嫌なのは本当だと思う。
「えー、じゃあ亮教えて?」
「わー!亮に話ふったー!ずるーい!」
『え?俺かよ』
そう言って笑ったけど教えてくれるようだ
『まず、相手がなんで食べたくないかを知る。食べたくない理由が絶対あるから』
「なるほど」
『で、柚の場合は口に何かを入れると息が止まっちゃって苦しくなるから嫌なの』
「ぅあ…ほんと、ごめんなさい」
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