アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
心配
-
「スープ飲めそう?」
少しでも食べてほしい。
ずっと食べられずに、夜も寝れない、自傷行為も無くならない。ってなってくると、入院になってしまう
それだけは避けたかった
柚にとって入院することはかなり心の負担になる
現時点で通院以外でも、夜眠れない日や食事が喉を通らない日が続くとむりやり病院に連れていくのだが、その度にすごく嫌がるし
『入院はなりませか?…大丈夫ですよね?』
ってすごく心配そうに聞いてくる
病院嫌いの柚の為にも少しでも楽でいられるように家で出来ることはしてやりたい
言葉をかけるとむくっ。と、起き上がった
「ぁ…ありがとうございます」
無理に笑う柚の頭をそっと撫でた
無理に食べようとしているのは明らかで、手が震えている
柚が手を伸ばすより先にスプーンを掴んだ
「…?」
何が何だか分からいというように頭の上にクエスチョンマークが見えて内心笑ってしまう
「あーん」
そう言えば一気に真っ赤になった
でも、どうすればいいか分からないようで困ったようにスプーンを見つめている
「食べてくれないの?」
と、聞けば少し俯きながら顔を赤くして
「だって…恥ずかしい」
とか言うから可愛くて
「俺、悲しいなー」
なんて言ってみると明らかに動揺したように戸惑いがちに目をぎゅっと瞑って口を小さく開けてくれる
「んっ…」
「ふふっ、かわい」
口の中に少しスープを入れると体も強ばるのが分かる
でも、そのままこくん。と飲んでくれた
なんだか小動物の赤ちゃんに餌を食べさせているような、なんだか可愛らしい感覚になる
スープを飲むと、その綺麗な透き通った茶色の目をそっと開いた
「美味しい?」
「…美味しいです」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
160 / 535