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来客 side柚
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亮が家を出て、仕事に行ってしまってからしばらく頭を真っ白にするように頑張っていた
何だか、今いろいろ考えるのは怖くて思考をそっちに戻されないように必死に床を見続けていた
無意識のうちに右手で左手の血を止めてしまっていてびりびりと痺れた感覚が伝わってくる
他から見たら訳の分からないことをしているのかもしれないけど、自分はすごく必死で、床や天井を見つめる以外にちゃんとした気のそらし方が分からなかった
不意にインターホンの音がなりドキッと心臓がはねた
本当はあまり出たくないけど、出なくて怒鳴られたりしたらもっと怖いから急いで玄関を開けに行く
「は、はい…」
小さく返事をして扉を開けた
「大丈夫?」
聞き覚えのある、お医者さんの声。
「っ、…」
突然おでこを触られた。
突然の事に驚いたしおでこをさわられたことに膝から力が抜けそうになる
「おっ、と。…大丈夫?遊だよ。翠も来た」
「あっ…ご、ごめんなさい…」
「たまたま亮と会って、話聞いたよ。
俺も心配だから亮が帰ってくるまで一緒にいさせて?」
「迷惑かけて、すみません。…あの、別に大丈夫、なので…」
「迷惑じゃないよ。柚はいつも周りのこと気にしすぎ。こういう時くらい自分のことだけ考えな?
それで、今どんな感じ?いつも通り?」
「…あの、床を…」
「床?」
「ぁ、何でもないです…とりあえず中、入ってください!」
こっちです。と、リビングへ案内した
遊さんと手を繋ぐ翠くんが、この前会った時より心なしか顔色も肉付きも良くなっていて、なんだかほっとした
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