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それぞれの時間
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こういう姿を見ると仕事は休んでもらって正解だったかなと思う
すぐに自分を責めるような奴だから今日家で過ごしただけでも、自分が悪いとか迷惑かけてるなって思ったりしたんじゃないだろうか
この状態で仕事に行けば柚の心が壊れてしまいそうで無理は絶対にさせたくない
本人は気にしないけど、かなり心が疲れていると思うから
そして心配なのが自傷行為。
結構依存していて、自傷行為は柚にとって自分を安心させてくれる以外の何物でもない
耐えれば耐えるほど1回の傷が深くなったり、大きい脈切ったりと本当に危ない切り方をする
遊さんもそれはよく分かってくれていて、今日柚は家にいるよ。と言うと心配だから、と家で一緒に待ってくれた
「…亮?」
突然柚が震える瞳でこちらをそっと見た
「どうした?」
「…何も、聞こえないですか?」
「…? いや、別に聞こえないよ」
「ほんと?」
「ほんとほんと。幻聴かな?最近収まってたのにね。大丈夫そう?」
そう言いながら柚に近づいてきて抱きしめると、小さく震えていた
突然ビクッと体に力が入るから、その度に小さな背中を撫で続けた
ビクビクと力が入りっぱなしなのは、なにが聞こえているからなんだろう
怒鳴り声、叫び声、刃物の音、ものが割る音…それ以外にもあるんだろうと思う
どのくらいの音量で聞こえるのだろう
でも、小さくはないと思う
俺には聞こえなくて、感じない怖さの中で柚はずっと戦っている
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