アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
それぞれの時間
-
「柚どうしたんだろうね?何かあったのかな」
安定剤を持って帰ってきた遊が独り言のように呟く
安定剤を受け取ると柚に話しかけた
「安定剤、飲む?」
「っ…」
「無理にはいいよ」
そんな俺達のやりとりを見ていた遊が柚に近づき、しゃがんで目線の高さを合わせた
「柚、聞こえる?」
いつもより、少し声のトーンが低く真面目な話をしようとしているのが伝わってくる
「…ぁ、ぅ」
でも、今の柚には『怖い』としか受け取れなかったようで、声にならない声を出して俯くと、突然ぽろぽろと泣き出した
「あ、ごめん。泣かせるつもりじゃなかったんだけど」
そう言うと困ったように遊は笑う
柚の背中を撫でるとますます泣き出してしまう
「大丈夫?」
遊は心配してくれているけど、柚も答えられなそうなので代わりに答える
「ごめん、だめっぽいかも」
そう言って笑ってみせると遊が申し訳なさそうに柚を見つめた
「柚は大丈夫だから。俺ついてるし。それより翠くん1人でしょ?戻ってあげて」
「ごめん、ありがとな。あと、亮も無理しすぎんなよ」
あぁ。と言って少し笑って見せた
遊とは長い仲だけど本当に医者って感じ
なんというか、俺が疲れていたりすると一番に気づいてくれるのは遊だし、柚が入院した時も大丈夫だからって言ってくれていた
別に色んなことを口にした訳では無いけど遊はいつも黙ってそばにいてくれた
それが逆に、俺にはありがたかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
178 / 535