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「兄貴の心配ばっかしてて、心も身体も疲れたろ? 俺がそれを発散させてやる」
すっとんきょうな事を言うな。
湊の胸へ両手を当て、押しのけようとするのだが――
「っぁっ」
ああすまん。乳首に指が掠っちまった……ってやめろぉぉぉそんな風に潤んだ瞳で見つめてくるのはやめろぉぉぉ!
嬉しそうに頬を染めるな。ちょ、本当にやめろ。こっちの顔が赤くなるだろ。
「ま、待て。待て――」
「もうどれだけ待ったと思ってやがるんだ。阿呆」
舌なめずりをするな。眼光の鋭さを緩和させろ。
ああ、唇が近づいてきた。頬にかかる、吐息。
「これ以上は……待たない」
至近距離で言われた。お前、本当にどうしてそんなに男前なんだっ! 可愛い湊を戻せ。
触れてくる唇が熱い。はっ、とそこから漏れてくる息が、頬を擽って……俺、本当にヘタレだな。
抵抗が出来ない。絡まってくる舌が、気持ちいい。目蓋を閉じてしまう。
童貞だから仕方が無い。うん、それにどうせ兄貴には振られた状態だし。
いや、いかんいかん。この気持ちはまだ、変わらないんだ。捨てられない。それなのに――
唇の端からどっちのかわからない唾液が零れ落ちて、背筋がぞくぞくとしてしまう。
じゅるりと唾液を吸われ、また、はまれる。いつの間にか上のスエットは脱がされていた。
唇の裏側を舌が滑って、そのまま口の中を泳がれる。凄く、熱くて、ぬるぬるとした感覚が……下半身にじんっと響いた。
快楽ってこういうことだよな。けれど……
止めようと、首を捩ったその時――
「海斗! ここにいるのか!」
おお、噂してないけど何とやらだな。航の声で、閉じていた目蓋が自動的に開いた。
上に乗っかっていた湊が上半身を起こした。でも退かないのか。
「航ぅ。邪魔をするな」
怖えぇぇぇぇそのドス黒いオーラを引っ込めろぉぉぉ!
顔がくっしゃくしゃに顰められている。
「お前こそ、何をしているんだ!」
航の荒々しい足音が近づいてきた。うわぁ、何だこの状態は。
流石に恥ずかしくて顔をそっちに向けられないぞ。
上を向いたまま固まっていると――ちょ、湊さんやめようよ。
股間をぐりりと尻で押してくるな。
「海斗は勃起してんだ。俺の愛撫に喜んでんだよ!」
…………終わったぁ。
ああ、もう駄目だぁ。
羞恥心で、魂が吹っ飛びそう。
白目を剥いて口から泡でも吹きたいわ。本当、あああぁぁぁぁぁっもう本当っ!
顔の向きはそのままに、そろりと視線を航へ向けてみる。
あの、俺の股間を凝視しないでいただけますかね。
「海斗は童貞だから快感に弱いのは仕方が無いっ!」
喧嘩売ってんのか航。
「ふん。お前じゃあこんな風に海斗を興奮させられねぇよ」
挑発するな、湊。
そして悠馬よどこ行った。この騒動に気づけよ。こういう時に阿呆な突っ込みを入れながら邪魔してくるのがお前だろうが。
航が顔を覗きこんできた。やめろ。
「試して、みるか?」
俺か湊かどっちに言ってんだ。
「イかせた方が勝ちだぞ」
おい、湊。勝手に決めるな。
するりと上から退いたかと思えば……ちょっ!
「お、おぉぉぉおい! ズボン脱がすなっ!」
腰のゴム部分を掴んだかと思えば、パンツとズボンを同時に、すぽんっと脱がされた。
ちょ、まじで勘弁しろ。
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