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エレベーターに乗るとすぐに、園川が肩を抱き寄せてきた。
「部屋に入ってからの方がいいのではないです?」
軽くその手を避けると、苦い笑みを見せてくる。
「そうやってお前はいつも、細々とした抵抗を続けるのだな」
園川には恩を感じているし、好きでもある。しかしその感情は恋愛ではない。
頭の中にあったスイッチを更に、押し込む。
セックスフレンドのようなものだ。身体を売っているとはいえども、無茶なことを命令されはしない。
最初は本当に、この業務のみをしていたのだがいつの間にか、通常業務も任されるようになり、こうして社会人として地に足をつけられる。その感謝の気持ちを熱に変えて、己を奮い立たせた。
部屋に入るとすぐに、背中から抱きしめられた。
「服を脱げ」
短く命令をされ、素直に従う。
コートを脱いで、床に落とす。スーツもその上に落とし、下着姿になってから園川へ視線を向けると、静かに首を横へ振った。
鼻から細く息を吐き、下着も脱ぐ。
「四つんばいになって、尻をこちらへ向けてみろ」
言われた通りにすると、二つの膨らみを左右に割られた。尻の穴へ部屋の冷たい空気が触れてきて腿に鳥肌が走る。
「誰にも触れられていないだろうな?」
「そんなところを触る知り合いはいません」
何を言うのかと思えば。少々呆れてしまった。
園川の手が、尻から退いた。
「自分の可愛さを、知っていない訳ではないだろう? その笑顔に惹きつけられる男がどれだけいるのかわかっているのか」
命令が無いのでその格好のまま、話を聞く。
「お前の同僚――井上だったか? あいつだってお前を舐めるようにいつも見ているんだ」
井上。いつも親切にしてくれる彼がまさか、そんな風にしているのだとは考えにくい。
「気のせいではないですか?」
「違う」
即座に否定をされ、何なんだと白目を剥きたくなった。
背後から服を脱ぐ音が聞こえてくる。
「立ち上がって、キスをしろ」
身を起こして振り返ると園川は裸になっていた。
引き締まった腹部の下にあるペニスはすでに勃起している。
下げている腕へ手を伸ばし、手首より二の腕、肩へと指を這わせる。
顎までそれを到達させ、目蓋を開いたままの顔へ唇を近づけた。
至近距離で視線が合う。決して閉じようとはしないそこに、強い光を感じた。
ゆっくりと、まずは全体を食む。
唇の端を舐めると、興奮したような熱っぽさを舌の上に感じた。
途端、腰を引き寄せられて、上から貪るように唇の中を舌でこじ開けられる。
容赦ない動きをしたその肉が、内頬を舐り、そのまま歯列を滑って舌裏の柔らかい部分をつついてきた。
ぞくりとした快感が腰をふらつかせる。
上を向かされた首が少々痛い。
完全なる服従を求めてねじ伏せようとするかのごとく、口の中を蹂躙してくる舌。
そこへ必死に自分の舌を絡ませ、園川を喜ばせる。
これが――いいや、駄目だ。
頭の中のスイッチの押しが今日は甘い。それはきっと――
目蓋を閉じて、考えを振り払う。
今この瞬間は、そんなものは必要ない。いや、必要としてはならない。
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