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冬の章二 色なき風
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「……別の恋心…。藍ちゃんってことはないよね…」
「ま、フツーに考えたらな」
「だよね。じゃあ、誰?」
遊命と可児は、素知らぬ振りを決め込んだ。璃青の問い掛けは、独り言のように空に消える。
「薔乃に恋心……。だから、余計なことしたんだ、私…」
それでも、薔乃が何を思っていたのか掴みきれない璃青は、他に何か手立てはないかと、暢気にコーヒーを飲んでいる遊命を見つめた。
「ね…、可児さんと遊命君ってさ、お付き合いしてんだよね? 具体的にどこまでしてんの?」
何を思っての質問なのか、ころっと話題を展開させた璃青に着いていけず、遊命はコーヒーで噎せそうになった。
一瞬、微妙な空気が流れ、辛うじて動揺を抑えた遊命が声を殺して言った。
「そ…そんなの中坊に、教えられるわけねぇべ」
「なんぼ出す?」
「可児さん、関西人だなぁ…」
「関西人ですが、何か?」
璃青が苦笑いした。
「そら、そうや。往来でする話とちゃうからな」
「はぁ…。往来で出来る話じゃないってことね、分かった。でも、みんなちゃんと恋愛してんだね。薔乃もなぁ…誰だろ? 想像もつかないなぁ…」
「何でも鵜呑みにすんなよ。俺の言うてることが全てとは限らんで。ただのアドバイスぅや」
「……うん」
璃青は、可児と遊命を交互に見て、暫しの沈黙の後、何か閃いたのか、独り呟いた。
「……あ…、そっか…男じゃない方が自然か…」
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