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山田 悠斗
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「で、話って?」
とりあえず紅谷を適当に追い払って(意外にもあっさり引いた)、人が少なそうな中庭につれてきた。
「紅谷の事なんだけど…アイツすげー性格悪いんだよ」
「は…?」
「柚子ちゃん先輩の弁当は強奪するし、脅してくるし、怖いし、なんかキスされたし」
「え、キスされたのかよ」
「そんな事はどうだっていい!今回の異動だって寮長を脅して無理矢理柚子ちゃん先輩と同じ部屋にしたんだぜ?!」
「…」
「山田だって嫌だろ?!そんな奴と同じ部屋って」
「…気持ちは分かるけど、」
「けど?」
「なんか、こういうの陰口みたいで嫌っつーか…和田って意外とこういう事平気でする奴なんだな」
え…?
「俺、チャイム鳴るからもう行くわ」
「あ…っ」
頭上でチャイムが鳴るのが聞こえたが頭の中は山田の言葉で一杯だった。
「なんなんだよ…山田の奴」
こういう事平気でするって、何?陰口の事か?そもそもこれって陰口なのか。いや、山田の言っていることは正しいのかもしれないが、俺が言っているのはそこらの陰口と違って悪意があったわけでも、陰ながらに攻撃しようとしたわけではなく、むしろ…
むしろ、何だ?味方になってほしいから説得するために悪口を言っただけか?それのどこが陰口と違うんだ。いや、でも…
「陰で悪口を言うことが陰口、その悪口というのは相手を悪く言うこと。しかしさっき俺が言ったのは悪口では無く先日起きた事実。決して悪く言ったわけではなくありのままの事実を伝えただけじゃないか。いや、でももしかして…」
「ねえ、君…」
「ん?」
振り向くと掃除のお爺さんが。ご苦労様です。
「もうすぐHR始まるんじゃないかな?」
「え…今何時ですか?!」
「今…もうすぐで3時半だけど」
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