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山田 悠斗
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「とりあえず、何があったか話してみろよ」
柚子ちゃん先輩にそう言われると俺、話したくなっちゃうじゃないか。
「お前の場合、絶対無神経に相手を傷つけてるから」
「っぐ…そんなこと…は…無いとは言いませんけど」
まさかそんな風に思われてたとは。いや、現に山田を怒らせたから否定はできないけども。
「でもさすがに本人のお兄さんや、絶対に弱みを見せたくない奴(紅谷)の前で話すのはちょっと気が引けると言いますか、何と言うか…」
「弱みを見せたくない奴って誰っすか?ていうか、俺でよければ悩みくらい聞きますよ」
「いやっ、それは、ちょっと、後輩に悩みを聞いてもらうなんて先輩としての顔が…ねぇ?」
「俺は後輩とかによくフォームのアドバイスを受けているから大丈夫だ」
「(そうじゃねぇ!!そうじゃねぇんだ先輩ぃ!!)へぇ~、そうなんですかー」
「よかったな、和田。紅谷はこう見えても甘い台詞は得意なんだ。これで数々の人間とヤってきたのを俺は知っている」
「先輩、甘い台詞をどうしろって言うんですか。山田に使えって言うんですか」
「大丈夫っすよ、先輩。俺が手とり足とり教えてあげます。
…とりあえず2人っきりで話しませんか?」
ガシっと肩を抱かれ扉へと向かわせる。
抗議をしようと思ったが紅谷の長い形の良い爪が二の腕に食い込んでいる。
おそらく今声をあげたら腕の肉持っていかれる。
「…っ」
助けを求めるつもりで振り返ると会長と目が合った。
「(ご、め、ん)」
申し訳なさそうに口を動かして困ったように笑った。
もうなんかその笑顔でさえも殺意が湧くぜ。
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