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楽しい紅谷講座
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ギュっー
「紅谷…っ…」
「どこ見てるの?ちゃんとこっち見てよ。大切な話してるんだから」
2人っきりの屋上、遠くでチャイムの鳴る音が聞こえるー。
「チャイムが…」
頬に手を添えられ顔をそむける事が出来ず至近距離で派手目な顔が視界いっぱいに広がる。腰に回された手がさらにその距離を縮めようと力が込められた。
また噛みつかれるようにキスをされるんじゃないかとビクビクしているこっちをよそに、余裕の笑みを浮かべる紅谷に動悸が激しくなるのが腹立つなぁ。
「ほら、ちゃんと繰り返してくださいよ。…俺の事嫌いになった?」
「っぐ…お、俺の事嫌いに、なった…?」
「俺は好きだよ…ねぇ、好き?」
「お…れは…す…き……」
「ねぇ、好き?」
「ねぇっ………ぐ…ぐがあああああああ!!!」
「うわっ?!なんすか、いきなり」
微妙な空気に耐え切れず紅谷の腕を振り払って一歩下がる。
「俺は!仲直りに使える台詞を考えてほしいの!あと、そもそもの話、お前に頼んだ覚えないし!山田口説いてどうすんの!?新入生なのに授業サボりまくりだし俺!!」
「いや、体と心、いっきに仲直り出来たらいいかなと。」
「体って何?!」
「え、分かんないんすか?これだからDTは」
「DT言うな。」
いや、まあ最初の数分は完全に流された俺が悪い。
だってまさか本当にLessonされるとは思わなかったし、2人っきりになった途端右ストレートがとんでくると思って歯食いしばってたら抱きしめられたし。
なにが「まず、弟さんをこうやって抱きしめてあげてください。あとは俺の言うとおりに続けてください、ね?」だ!!俺は別に全く全然ビックリなんてしてないけど、不良のテクを見せてもらおうとなすがままにされていただけだし、全然関心してねーし、マジこいつふしだらだな!!
「もう適当に謝ればいいんじゃないんすか?」
「うっ…それは、そうかもしれないけど…」
「なんすか、面倒くさいなぁ…」
「だって、俺が負けを認めたらこの事は一生アイツの中に俺のマイナスの思い出として残り続けるんだ。俺に非があった、俺が陰口を叩いたという誤解が無意識のうちに俺への軽蔑として残り続けるんだ。」
「面倒なうえに発想が怖ぇーよ」
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