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山田 悠斗
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「…ゴホン。」
芦屋の部屋の前で一旦咳払いをしてみる。
柚子ちゃん先輩たちに啖呵きって飛び出したはいいものの、何を言うか全く考えてなかった。
ていうか普通に考えて芦屋プラス、ルームメイトはあと2人。実質部外者3人の前で俺は謝りに行くのか。さすがにちょっとそれは恥ずかしいなぁ~、今日はやめておこうかなぁ~。
「あれ、もしかして和田君?芦屋に何か用?」
「あ、いやっ!あの、そのぉ…」
「山田君の方じゃない?入らないの?」
部屋の前で悶々としているとルームメイト2人が現れた。
超ピンチだ。
ガチャッ
「おかえりなさー…って、和田君!?」
ピンチとか言ってる場合じゃなかった。ピンチとか考える前ににとっと退散すればよかった。
「あ…えっと…どうも…」
芦屋の後ろで山田も驚いた顔でこちらを見ている。
ああ…今日はまだ一回も山田のごはんの食べっぷりを見ていないよ…いや、朝見たか。よくよく考えると会いたいって思うほど喧嘩してる時間長くなかったなー…
「…何の用」
「え?!えぇっと…っちょ、と話が…ありまして…」
山田が沈黙を破って低い声で言うもんだからついどもってしまった。
まだ怒ってるよ、コレ土下座ルートか。
「話って?」
「えっと…とりま場所の移動を…」
「ここでしてよ」
「え……」
うわぁ、山田ちょっとサドっぽい。俺そんな蔑まれた目で見られてもMじゃないからあんまり嬉しくないって言うか、HPがどんどん減っていくんだけど。
「用がないなら帰「…山田っ!!!」
「「「「!?」」」」
その場に居る全員がビクッとなるような怒声が響き渡った。
しかもその声を発生したのが芦屋ということで、芦屋以外は当然、呆気にとられている。
「あ、…芦屋…?」
「さっき散々言ってたよね?」
芦屋はグッと山田との距離を詰め寄ると人差し指ビシッと突き出した。
あれ、俺の思ってた芦屋と違う。
「自分の口から言えないなら僕が言ってあげようか?あのね、和田君。さっきから山田ずーーーーっと「っわ、わかったから!芦屋、待って!!」ちょっと!ジャマしないで!」
なんと芦屋は山田を抑えて自分は部屋の外に出てドアを閉めてしまった。そのままドアにもたれかかって内側から開けられるのを防いでいる。
「あ、芦屋?開けろって!何言うつもりだよ?!!」
「やっと静かになった…」
「(静かになった…のか?)」
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