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山田 悠斗
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バンバンと扉を叩く音を無視して芦屋が全体重を傾けてドアを抑えている。
同じ部活とはいえ、芦屋の方が華奢なのに凄い力技を見せつけられた。
「で、和田君」
「…はい」
「芦屋ぁあああああ!!!」
なんかよく分かんないけど山田スゲー必至なんだけど。大丈夫か、本当。
「和田君」
「っは、はい…」
「山田、ずっと謝ってたから」
「え…山田が?」
「そう。ウザいくらい謝ってたよ。…本当ウザいくらい…ていうか普通にウザかったし。部活の時とか、ずーーっと嫌われたよな…とか、謝りたいな…とか。部活に集中しろよテメェって思うくらいウザかったよ。」
「あ、芦屋…?」
芦屋がわりとマジで怒ってるぞ。
どんだけウザかったんだ山田、こんなにウザがられることなんて中々ないと思うんだけど。
「ていうか…会ってまだ4日目でしょ?!新学期早々喧嘩かよ!!?早いよ!!!」
「芦屋、キャラ違う…落ち着けって…」
お前そんな叫ぶタイプの突っ込みキャラじゃなかっただろ。一体どこでそんな激しい突っ込み覚えたの。
「仲良いのは分かるんだけどさぁ、僕を巻き込まないでくれる?お弁当作ってもらっちゃっただの、喧嘩しちゃっただの、惚気か!!!付き合いたてか!!!」
「うわぁあああああああああああああ!!!芦屋マジそれ以上やめろ」
ドアの向こうから魂の叫びが聞こえる。俺はここでそっと耳を閉じて何も聞かなかったことにするべきなんだろうけど、芦屋の話してる内容凄く興味深いんだけど。
「山田、そんなに惚気てたのかぁ」
「そうだよ。本当はただの嫉妬だったの、陰口なんて思ってないだとか言ってたけど…知らねーよ!!早く謝って来いよ!!
俺みたいな単細胞と違って和田は頭良いから~、とかアイツ優しいから謝ったら簡単に許してくれちゃうんだろうな…キモイ!!キモイんだよその甘ったれた感じ!!!」
「うわあああああああああ!!!違う!違うからな!!!」
「っや…山田…っ!!!俺は優しくなんかないし、お前は単細胞なんかじゃないよ!!!」
「…ベッド運ぶついでにちょっと様子見に来ててみたら…何すかこの空間」
「仲直りしに行ったんじゃねえのかよ」
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