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新聞(文芸)部
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ー次の日ー
「和田ぁ~」
「うわっ紅谷…」
教室に着くなり、中等部にいるはずの紅谷が笑顔でなんか来た。
すげぇ嬉しそう。俺が思うに災いを持ってきてる時の顔だ。
「何だよ、俺忙しいんだけど」
「へっへっへ~…和田先輩に実はいいものがありまして、」
「いいよ、いらないよ。帰れって」
「えぇ~?いいんすか~?これ見ないと周りの人の話についていけなくなったり、置いてけぼりくらっちゃいますよ?」
「えっ…そんな皆知ってる事なのか」
「無料配布してたっすもん」
「……新聞部か」
サァーッと血の気が引くのが分かった。
昨日の今日で出来上がるわけないと高を括っていたが…あ、だから皆微妙に距離を置いていたのか。ただでさえ少ない知り合いが全員病欠したのかと思ったぜ。
「惜しいけど、文芸部の方っすよー」
「いや、どっちでもいいから教えろって」
「教えてほしけりゃ‘このカス以下の私に教えてください紅谷様’って言ってほしいなあ~」
「…このカス!…以下の私に教えてください。紅谷ぁ!……様。」
「遠まきに俺が罵倒されてるんすけど…」
文句を言いながらも後ろに隠していた部誌を渡してくれた。
確かに「文芸部 特別号」と書いてある。昨日の新聞部のインタビューはどうしたんだ。
「アンタ筋肉ちょみっとしかないっすね」
「うぉおおおお!!見るなよ!」
「いや、もう全校生徒見ててもおかしくないし」
まさかの見開きで俺の上半身が印刷されていた。カラーじゃないから人間魚拓みたいになってる。なんか俺、伝説のカッパみたいになってる。
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