アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
紅谷の杞憂
-
―――
「…え?」
「え?」
あれ、このやり取り本日2回目な気がするなあ。
4人で食卓を囲み、紅谷に一応竜司さんのことを報告しておいた。
そして冒頭に至った紅谷はキョトンとした顔で晩飯のレバニラを箸から落とし、山田はと言うと話の筋が見えないらしく訝しげな顔をしている。
篠原先輩は微塵も興味ないと言う風にご飯のおかわりを求めてきた。可愛い。
「日曜日ケーキ食べに行く」
「…デートの約束したんすか?」
「ケーキ食べに行くんだってば」
「デートっすよね?」
「だからケーキバイキングだって。20%OFFなんだぜ?凄くね?」
「なあ、紅谷。その一条先輩って…3年の不良だよな?」
「そうっすよ。この学校の不良しめてる人っす」
「山田、肩書に騙されちゃいけない。昔から不良って雨に濡れた子犬助けてるだろ?」
「漫画の中の話だろ」
「むしろアンタが騙されてるっすよ。」
「騙すってなんだよ。…まさかスキをついて財布を奪われるとか…?」
「あー…色んなもの食べられますよって話」
「いや、バイキングだし色んなもの食べていいと思うけど」
何言ってんだよー、と笑うと紅谷に冷めた目で見られた。
何だよ、ノリ悪いな。
「別に、一条さんそんなに悪い人じゃないと思うけど。ケーキ好きだし」
「うーん…それが問題なんすけど…(告白の話聞いてないのか?聞いててあえてデートに行くつもりなのか?それなら何も言うことねえけど…)」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
57 / 79