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紅谷の杞憂
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「なあ、何の話なんだよ?何で和田がそんな不良と?」
「…実は…」
「?」
山田先輩の肩を組み小声で喋りかける。
「今日の昼休み、あの人一条さんに告白されたんすよ」
「はああ?!!」
「でもあの人立ったまま気絶してて」
「立ったまま?!」
「和田が一条さんの気持ちを知っているのか知らずにデートに行くのかが一番の問題なんすけど…」
「!まさか…そんなの知ってたら和田の奴もっと態度に出すだろ。…ていうか、何で和田に告白を…?」
「それは俺も理解できなかったっすけど、自由でクレイジーな所に惚れたそうで」
「自由でクレイジー?!!大丈夫かよそいつ…!!」
「なあ、何の話だよー。俺も混ぜろよー」
「…」
すげぇ凝視される。何、山田ってばおれの顔忘れちゃったの?
「尾行しよう」
「!!…やっぱりそれしかないっすか」
「アホな和田を俺たちが助けるしか…」
「何の話かわかんないんだけど、お前ら俺をどんな人間だと思ってんの?」
「和田、おかわり」
「はいはーいっ」
篠原先輩の可愛い一言に渡されたお茶碗にさっとご飯をよそう。
がっついちゃって可愛いなぁ、もうっとか思いながらほっぺについたご飯粒をとってあげた。こういう人をきゃわたんって言うんだろう。
「…いざとなればショタっぽい子供うろつかせればいいんじゃね」
「…まあそうっすね」
「(…自分で言ったけど、和田…わりとキモイぞ)」
「山田、どうしたそんな眉ひそめて。ご飯まずかった?」
「いや…うまいよ…」
「そうか?」
うますぎて泣けてくる。
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