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不良とデート
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「11時03分…」
腕時計を眺めながら時間を呟く。
約束の日曜日がやってきたのはいいが、髪の毛で覆われた右耳が痒い。
『いいか、和田。俺たちが指示を出すから絶対に言うこと聞けよ』
『一条さんはクールな顔して中身はスゲー怒ってたりするんで、油断しないように』
そう言って渡されたイヤホンのようなもの。
コレ、テレビで見たことある。SPとかがつけてるやつや。
「11時04分…」
あそこまで徹底されると、俺ってもしかしてデート(じゃないけど)とか不向きなタイプなのかなって不安になる。
でも今日はせっかくのバイキングなんだ、そんなこと気にしないで明るく行こう。よし。
「…よう。和田。」
「あ、おはようございます。先輩、5分遅刻ですね!」
「「(…っ!!!)」」
黒いジャケットにジーンズと言う服を完全に着こなし現れたイケメン…竜司さんに5分前行動のなんたるかを説明してあげたかったが今日はケーキに免じて許そう。
『和田!!』
「!」
突然イヤホンから山田の怒鳴り声が聞こえてきた。
『そこは、全然待ってない、だろ!デートっぽくしろよ!』
『つーか、一条さんに遅刻のことで責めるな!不良は遅刻してもいいんだよ!』
「(う…うるせー…)」
竜司さんの前で返事するわけにもいかず、とりあえず聞き流すだけにしておいた。
まさか、これが今日一日続くのか…?
「あ、…えっと、バイキング楽しみですね。俺昨日眠れなくって。」
「…そうか」
「はい」
「…」
「…(会話続かねぇ…!)」
「ダメだ紅谷。アイツデートした事ねーよ」
「でも一条さん、まんざらでもない顔してるんすよね…あんな一条さん見たくなかった」
「え~っと…じゃ、行きましょうか。」
「ああ」
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