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一条 竜司さんの気持ち
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「悪い、もう一回言ってくれ」
「えっと、竜司さんさっき誰かのこと思い浮かべながら言ったんですよね?その人のどこが好きになったのかなーって。」
これでいいんだろう、紅谷。
頼むからこっそりバーカって連呼するの止めて。
「…誰にも言わないか?」
「はい?」
「…俺、小学校もここの付属に通ってたんだ」
「へぇ…」
「背が伸びたのも、喧嘩を始めたのも中学上がってからで…そん時はスゲー小さくて何も出来ねーガキだった。
…そのせいで、6年の時強姦された」
ゴッキュンと派手に音を立ててコーヒーが喉を通って行った。
いや、待て。これは俺に扱えるような案件じゃないぞ。予想以上に重い話された。どうしよう、俺どう反応したらいいの。紅谷、紅谷!!なんか言えよ…!!
「今まで親の金でどうにでもなったし、何があっても誰かが助けてくれると思ってたけど…誰も助けに来なかったし、相手が高等部の3年だったから怖くて逆らえなかったし。もちろん、もうお返しはキッチリしておいたけど」
「…」
「別に強姦されたことはもうどうでもいい。…男だったし、中等部にあがってからはそういう光景が日常茶飯事だったし。
…でも、何故かあの時の誰も助けに来てくれない絶望感とか喪失感だけは今でも時々思い出すんだよ」
「…」
「…俺の好きな奴は、…って言っても、まだ好きなのかも正直わからねーけど、助けてくれるって証明してくれたんだよ。俺が助けられたわけじゃねーけど、人間なんてそんなもんか、とか思ってた俺にとっては、たった一人でもそういう奴が居るってわかって嬉しかった。」
「…」
紅谷…何か言えよ。
俺はどうリアクションしていいのか分からないぜ。
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