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一条 竜司さんの気持ち
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「…竜司さん、」
「…誰にも言うなよ?話すのはお前が初めてなんだから。」
柔らかく笑う竜司さんに胸がギュっとしまる。
誰のおかげでそんな風に笑えるんだろう。
誰が幼かった竜司さんにそんな酷いことが出来たんだろう。
「…竜司さんは間違ってないですよ。人間なんて自分の保身と欲望ばっかりで、誰も人の痛みなんて分かろうとしないと思います。むしろ助けに来る方が珍しいですもん。他人のこと助けようとする人なんて社会では生きていけないですよ。」
「…お前、気づいてないのか」
「何に…?」
「…お前、この間強姦されてた奴助けただろ」
「まあ…」
そう言えば、竜司さんに同じ質問を以前されたな…
ん?
「あれ?………竜司さんの好きな人って、」
助けてくれるって証明してくれた。竜司さんが助けられたわけじゃない。竜司さんが目撃したのはその一回きりらしい…
ん?
「俺か!?」
なぜかこの時の俺は全くKYもボケも冗談も思いつかなかった。
鈍感は俺のアイデンティティーのようなものだ。むしろここで感づいた俺は俺であって俺でない。
とにかく今日は冴えていた。
「ああ」
そして人生初の告白を受けた。
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