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日常+スパイス
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―翌日
「…」
「おはよう、和田君。昨日ケーキバイキング食べに行ったんだよね?美味しかった?」
「…チーズケーキが…」
「美味しかったの?」
「…食べたかった」
「はあ?」
あんなことがあっては勿論、ケーキも喉を通らず、会話も弾まず、元もとれず、300円の損をして帰った。
帰り際に一言、「もっと知りたい」と言われ真っ白な頭のまま頷いてしまった。
人生初の告白が同性で、もっとも苦手なジャンルの不良。
これが乙ゲーならメインキャラからの告白にktkrとか言う場面なんだろう。だが俺は男だ。
「…盗み聞きしたのを反省して、この件についてはもう何も言わないことにしたっす」
「え…今こそ俺の相談に乗ってよ。紅谷レッスンしてよ」
「…こういうのは自分の力で解決していくもんだし、俺だって一条さんの過去を勝手に聞いてしまって罪悪感に心が押しつぶされそうなんだよ」
「知らねーよ。8割方お前の台詞が誘導してたじゃん」
勝手に言わせておいて、勝手に傷つく紅谷に、終始申し訳なさそうな顔の山田。
柚子ちゃん先輩が居なかったらその日の夕飯はお通夜状態だった。
「和田君、生きてる?」
「まあ…」
そう言えば姉に言われたことがある。
「和田って普段はこんなんだけど、いざっていう時は頼りになりそうだよね」って。
普段から家事をそつなくこなして頼り甲斐があるだろ、とか思ってたけどあれはこういうことだったのだろうか。
ていうか、俺は告白された身として竜司さんとどう向き合うべきなんだ。
もっと知りたいって言われたけど、俺はあの人のこと好きなのか。ていうか俺は男もいけるんだろうか。
「(人生初の告白がハードルが高すぎて何から手を付けていいのか全く分からない…。)」
「和田君、焦点が定まってないけど大丈夫?」
「俺が今見ているのは心だから大丈夫」
「先生、和田君を保健室に連れて行っていいですか」
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