アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
日常+スパイス
-
「…俺、ちょっと3年の教室に行ってくる」
半強制的に保健室のベッドに芦屋によって押さえつけられていた。
が、こんな状態で眠れるはずもなく逆に色々考えてしまった。
「紅谷君のとこ?」
「高等部の3年の方」
「…和田君、ちょっと疲れてるんだよ。麻酔打ってもらった方がいいかもよ?」
「大丈夫。ちょっと俺がどういう人間か教えてくるだけだから」
「先生、和田君が3年の教室に討ち入りするそうです」
「え?!」
「するわけないだろ…」
色々考えて、考えて、俺はやっと1つの結論にたどり着いた。
「(常識的に考えて議員の息子と男の子が付き合うことを議員の親が許すわけない!!)」
俺の考えでは付き合えば三か月ぐらいで見つかり、金を渡され「うちの子に二度と近づかないでくれ」と言われ、承諾したにも関わらず俺の親が勤める会社は潰され家は売り払われ、もらった金以上に損をしBAD END…
これは断るべきだ…いや、でも、なんか断りにくいって言うか…同情するって言うか、俺も、もう少し竜司さんのことを知るべきかもしれない。
破産ENDは嫌だけど、竜司さんはあんなに真剣に向き合って、一番人に話したくないだろう過去まで話してくれたんだ。
何も知らないまま、こっちの都合で告白を断るのも人として終わっているかもしれない。
「破産END回避しつつ、竜司さんのことをもう少し知っていこうと思います」
「…お、おう…」
ついてこようとした芦屋をやんわり断って3年の教室に来た。
ちょうど、屋上に居た不良の1人を見つけたので竜司さんの居場所を聞き出した。
「あいつをよろしくな…」とか言われた。どんどん俺の背負うものが大きくなってる気がする。
「竜司さん!」
「!…何か用か…?」
「昨日の、ことで…」
昨日…アレ、俺昨日の今日って…ちょっと返事すんの早くね?
おかしいな、俺の中では一ヶ月ぐらいかかっt…まあいいか。
「俺、男だし、竜司さんも男なうえに不良で議員の息子じゃないですか」
「…関係ない」
「いや、現実はそんなに甘くないんですよ竜司さん」
「…じゃあ、」
「だから、考えたんですけど、」
「?」
竜司さんの言葉をさえぎって目の前に人差し指をたてる。
「…竜司さんの部屋に行っていいですか」
「は…?!」
「変なことはナシで。俺の部屋と近いからあんま荷物は持ってこないし、イビキもかきません。」
「…いいのか?」
「?」
「それって、俺の事ちゃんと考えてくれてるって思っていいのか?」
「…はい。」
しばらく無言だったが手で口元を抑えて顔がゆっくり赤くなる。
これは…喜んでるのか。告白された後だと見える世界がかわるな。
「…ありがと、う…」
「いいえ。こっちこそ、よろしくお願いします」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 79