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不良と同居
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―――
チチチチ…
「んー…」
しばらく鳴り続けるアラーム。
携帯の場所を探っていると先輩の背中に腕があたった。
そう言えば先輩の部屋だった、と思い出すと携帯をどこに置いたかも蘇って来た。
カチッ
「飯…準備しなくちゃ…」
ギュっー
「まだ、行くな…」
「…っ!!」
「(ジーザス…!!)」
俺はこれからこの可愛い生き物を置いて行かなければならないなんて…っ!
―――
「一条さんの部屋に?!」
「ああ。」
「それって、付き合うって事か?」
「…いや、とりあえずお互いをよく知ろうという事で落ち着いた」
同居前日、しばらく部屋を移動する旨を伝えると、紅谷と山田は何と言ったらよいか分からない顔をしていた。
「…一応スタンガン貸しておくっす」
「う…うん…アリガト…」
「飯どーすんだよ」
事情をよく知らないはずの柚子ちゃん先輩が飯の危機にだけは感づいたらしい。
さすが本能のままに生きる小動物。かわゆす。
「朝飯とお弁当は作りに戻ろうと思ってます。晩飯は、竜司さんに付き合おうと思うのでしばらくの間は…」
「ッチ…」
「篠原先輩、俺のごはんそんなに食べたがってくれてたなんて…っ!!」
「じゃあ一条先輩に晩御飯作んの?」
「いや、先輩の部屋にキッチンなかったし食堂に行くかな。まあ、高確率で鉢合わせると思うけど気にしないでくれ」
「…そっか…」
「山田、この部屋はお前に任せる。ダラダラな篠原先輩と無責任不良の紅谷しか居ないこの部屋を任せられるのはお前だけだ。
…部活が忙しいのは分かってる。でも蚊取り線香の残量だけ定期的に見るようにしてくれ」
「お、おう…」
一昨日から蚊が出現し始めたため、蚊取り線香を設置しておいた。篠原先輩にキスマークを残そうとするお前らは化学兵器によって滅びゆく運命なのさ。
「じゃあ、頼んだぞ」
パタン、とドアを閉めた瞬間「マリカしようぜー」「俺ピーチ」とか聞こえてきた。
アレ…おかしいな?視界がぼやけてきた…。
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