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一条 竜司さんの生き様
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「(もういっその事竜司さんと付き合ってみても…)」
今朝からこんな考えがちらついて、授業に集中できない。
いや、竜司さんが悪い。どう考えても俺のコト落としに来てる。自分で言うのもアレだけど俺は今ラノベの主人公状態だと思う。凄いな、ラノベの主人公。5、6人もの女の子に取り合いされてる中で冷静にツッコミいれるもん。
「(付き合ってからの事を考えるにしても、やっぱり竜司さんのこともっと知る必要があるな。後からこんなはずじゃなかった、思ってたのと違う…ってなるのは嫌だもん)」
確か竜司さん頭は良いけど、授業にもほとんど出てなくて留年ギリギリって紅谷が言ってたな。
ということはこの時間もどっかでたむろってんのか。これは会いに行くしかないな。今日の日付が俺の出席番号で当たりそうだったし。
「ぐはぁっ!!」
「?!!っど、どうした和田!」
「お腹が痛いので保健室に行ってきます…っ」
よし、何の疑いもなく教室から出ることに成功した。
後は竜司さんの居る場所だよな…。
「(屋上…か空き教室かな。あ、でも屋上は柚子ちゃん先輩がお昼寝に使ってるらしいし居ないか)」
自習室や倉庫と書かれた普段使われていない教室を覗いていくと、案の定、校舎の一番端にある教室に先輩たちがいた。
「(竜司さんのお友達もいらっしゃる…俺基本的にヤンキーダメなんだよな…)」
「あれー?あいつ和田芳人だよな?」
「(ばれた…!!)」
教室の中からお友達の1人が竜司さんに尋ねた。
ここで逃げたら失礼極まりない。腹をくくって教室のドアを開けた。
「どうも。竜司さん」
「あ、ああ…授業は?」
「今、保健室に居る設定なので大丈夫です」
「っぐ…ぅう…」
竜司さんの側に行こうとしたら誰かが寝っ転がっていた。
制服を埃で汚しながら床を這いつくばっている。よく見ると顔が痣だらけだ。
「え…喧嘩中でしたか…」
「悪い。今取り込んでて…すぐ終わらせる。」
こういう時のすぐ終わらせるって相手にとってスゲー死亡フラグですよねっていうか、普通に喧嘩してるじゃん。俺のオコジョさんはどこ行った。
「…次やったら殺すぞ」
聞こえなーい。俺は何も聞こえないし見てなーい。
竜司さんがとどめの一発に思いっきりお腹蹴ってたのとか見てなーい。
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