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俺、お兄ちゃん
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「おにーちゃん!」
「お兄ちゃん、あそぼー?」
「兄貴は俺とゲームするんだよ」
「はいはい、順番に遊んでやるから」
我が弟の真人と妹の彩香と桃が俺の服の裾を引っ張り、俺を取り合う。
ああ、なんてかわいいんだ。とても俺と血がつながっているとは思えない程愛らしい。
神よ…ここが天国か!!!
「芳人ー、金。」
「はぁ?またかよ」
長女の友里が巻き巻きの髪を、指でさらに巻き巻きしながら金をせびってくる。
いい加減、遊んでばっかりでいっこうに貯めようとしないその性格は早く何とかしたほうがいいんじゃないか?
本当、この天使たちを見習ってほしいものだな。
「しょうがないなー。ちゃんと返せよ?」
「やったー、芳人大好きー!」
「もぉ~、可愛いなぁ!」
「芳人ー、風呂って沸いてる?」
長男の悟がボリボリと頭を掻きながらリビングに顔を出す。また昨日風呂入らずに寝たのか、寝癖と油となんだかで不衛生だ。そのアホ毛どうやったらつくんだ。
「すぐ沸かすから、歯ぐらい先に磨いて来いよ。」
「は~い」
「全く…」
俺たち和田兄弟は高校3年の長女の友里と、高校2年の長男の悟、中学3年の俺こと芳人、中学1年の真人、小学3年の彩香と桃の6人兄弟、8人家族だ。
父さんが貿易会社のエリートとかであと3人子供が出来ても裕福な暮らしだそうだ。
母さんは市の局員で仕事と家事をそつなくこなしてくれるいい母親。
可愛い兄弟、姉妹達に囲まれ、比較的裕福な暮らし、優しい両親。
そんな恵まれた俺も、もうすぐ受験生。
きっと癖のあるやんちゃな若者たちが高校には待っているんだろう。
ああ、考えただけでワクワクしてしまう。
当然、俺の成績はそんな目標が出来てからグングン伸びていき、県内で一番頭のいい高校に行くんだとばかり俺は思っていた。
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