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家族会議
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「芳人、あなた東京の寮に行きなさいよ」
夕飯時、8人でも十分広く感じる大きなテーブルをとり囲んで妹たちの食べこぼしを拭いているとふと母がそう切り出した。
「え?いや、志望校もう決まってるし、先生も余裕だって「そうじゃないの…」?」
何時になく重い空気に自然と皆口を閉じた。
「芳人、あなたいい加減高校生でしょ?兄弟の面倒や家事も皆してくれて…せっかくの遊び盛りなのに勿体ないわ」
「そうだぞ。彩香と桃も小学生になって送り迎えもいらなくなったし、友里は大学生になる。…正直…」
「正直…?」
「…家族全員お前に甘えすぎた。このままでは子供たちが自立出来ないかもしれない」
「っそ、そうかな…?」
平静を装うが内心ショックを受けていた。
まさか、俺のせいで兄弟に迷惑かけていたかもしれないなんて…。
「俺は嫌だから!」
「真人…。お前も中学生になったんだ。何時までも芳人にベッタリってわけにも…」
「そんなこと言ったって、急すぎるし…兄貴がどっか行くなんてそんなの…」
「兄ちゃんどっか行っちゃうの?」
「嫌ー!兄ちゃんどこにも行かないで!!」
「桃、彩香。まだ決まったわけじゃないから泣かないの…。
それに最後は芳人に任せるわ…。本人の意思を無視するわけにはいかないものね…」
「兄貴、俺に勉強教えてくれるって言ったよね?どこにも行かないよね?」
「ぇ…っと…」
口をもごもごさせる。
お母さんとお父さんの視線が尋常じゃないんだが。でも、俺みんなと離れたくないし…
「俺「…アタシは、賛成かも…」?!」
「?!!友里、お前芳人が居なくなってもいいのかよ?!!」
「よくない!!!よくないけどっ…!!!アタシたち、芳人に甘えすぎたって、思うじゃん…?」
「…っ…、そんな事言ったって、家事だって、弁当だって芳人が居なくちゃ…」
「皆で頑張ろうよ…っ、アタシも料理覚えるから…」
「お母さんも、お弁当くらい芳人が小さい時何時も作ってたんだから大丈夫よ」
「母さん…っ…」
「………」
どうしよう。行きたくないとか言いづらい空気になってきた。
「芳人、お前はどうなんだ?嫌なら断ってもいいんだぞ」
「…アハハ…」
こうして俺は可愛い兄弟達をおいて寮に入ることになった。
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