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高校生life
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「和田 芳人です。好きな食べ物はサーモンです。弓道部に入ろうと思ってます。」
高校の入学式後、初めてのHRで自己紹介タイムに入る。
ちなみに俺は首席の挨拶をさせられたがそんな事は糞どうでもいい。
問題は入学式にさえ兄弟たちが来てくれなかったことだ。
まあ遠いだろうし大変かもしれないが、あの日以来。皆俺を見ると切ない表情をしてくる。
「お兄ちゃんあそ…う、ううん!やっぱり何でもない!」
「芳人…俺、自分で風呂沸かせるんだぜ?へへっ」
「芳人、なんか欲しいものある?アタシ、なんでも買うから!」
「お兄ちゃんっ…っふぇえええええええ!さよならぁあああああ!!」
桃、お兄ちゃん今生の別れするわけじゃないからね?
会おうと思えば何時でも会える距離だからね?
一様に暗い顔で、俺が部屋で勉強しているとたまに嗚咽が聞こえてきた。
3年間東京に行くだけであって、俺の葬式でもしかねない雰囲気に居心地の悪さを覚えた。
「兄貴、勉強教えて」
真人だけは通常運転で不愛想ながらも俺に接してくれる。
俺よりも頭がいいらしく、何をしてもスラスラ解いてしまう。
「ねえ、兄貴…」
「ん?どっか分からなかった?」
「…俺も、同じ高校行きたい…」
「真人…」
小さい頭を俺の肩に乗せてつぶやく。
お前ならもっと上に行けるとも言えたけど、握られた手が震えているのに気づいてやめた。
かわりに「分かった」とだけこたえた。
「和田だっけ?首席の奴」
「あ、あぁ。」
自己紹介が一通り終わってから隣の席の奴が話しかける。
回想していたせいでクラスメイトの名前全然聞いてなかった…。
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