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高校生life~寮
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「和田、よろしくな」
「よろそく」
「よろそく?」
神も捨てたもんじゃないぜ。
午前中に終わった学校から歩いて5分のところにある学校の寮。
芦屋はホモがどうの、問題の隠ぺいがどうの言ってたが、外見も中も新築のようにキレイだし、治安はかなりよさそうだ。
部屋も広々としていて、なんと志願者にはキッチン付きの部屋が選べるほど。
何より…
「俺、バスケ部の山田 悠斗。あと、二段ベッドの上に居るのが2年の篠原先輩な。」
「一年だけじゃないんだな」
「毎年ルームメイト変わるんだけど、一年は先輩が必ず一人つくのが普通だな。って、兄貴もここの生徒だから知ってたんだけど。
和田も今年からこの学校に入った奴だよな?」
「ああ。」
なるほど。つまり山田が見るからに弟っぽい顔(?)をしていたのは実際、兄が居たからなのか。
なんかこの大雑把そうな感じ可愛いなぁ。頭撫でたいなぁ。
「えっと、和田 芳人です。篠原先輩…」
二段ベッドの上に話しかけるが返事がない。
制服のまま眠っているのか、投げ出された足が柵の隙間から見えている。
「起こさないほうがいいって。超怖そうな先輩だったらどうすんだよ!」
「でも制服のまま寝かせるのは…皺になるし。」
山田の注意を無視してはしごに足をかける。
本音を言えば、このだらしなさがたまらなく良いと思う。
こんなだらしないなら例え頭が時代遅れのリーゼントだろうと、スキンヘッドだろうと俺は身を粉にして尽くすぜ。ありがとう、寮生活。ありがとう、篠原さん。
「篠原せんぱー………あ…」
「え?あって何?あって何だよ?!」
下で山田がなんか騒いでいるがこっちはそれどころじゃない。
誰だ、時代遅れのリーゼントやスキンヘッドがいるなんて言ったやつ。
「んっ…」
「(ふぉぁあああああああああ!!!可愛いなオイ?!!お兄ちゃん…っ、嬉しい!!!!)ハァ…ハァ…おはようございます…っ」
「…何お前」
柵にしがみついて鼻息を荒くしている奴がいれば誰でも怪訝な顔をするだろう。
だがそんな篠原さんの顔はその辺の愚民共とは似ても似つかない、例えるなばらそう…天使のお目覚めとでも名付けようか。
先輩にしては少しこじんまりとした身長で、サラサラの髪、長いまつげ、つぶらな瞳。
小さな体をさらにまるめて制服のまま眠る先輩はとても美しいと思った。
「天使だ…」
「…」「…」
「えっと…和田?どうした?」
先輩を気遣うように山田がやんわりと聞きながら強引にはしごから引きずりおろしてくる。
「いや、それがだな、山田。先輩がすごく可愛かったんだ。俺には桃や彩香や真人、その他2人もいるのにだ!!妹たちの寝顔と同じくらい天使だった…。」
もはや興奮しすぎて自分でも何を言っているのか分からない。
気づいた時には山田は心底引いていた。
「…和田…大丈夫か?」
「…ごめん。俺今どうかしてた。」
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