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柚子ちゃん先輩
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「芦屋、先輩の事教えろよ」
「うわっ、直球…そして人にものを頼む態度じゃないよね」
「見て分からないのか?俺は必死なんだ」
「うん。わかる。わかるんだけど、その必死さがどうして変な方向に行くのかなぁ」
メモ帳を片手にスタンばる。
さぁ、俺はいつでも先輩の事を書き留める準備が出来ているぞ。
「何が聞きたいの?」
「スリーサイズ」
「警察と変わったほうがいいかな?」
「冗談だって。とりあえず、好き嫌いと柔軟剤の種類と起床時間とかかな。」
「ごめん、そういうのは分かんないわ。」
「先輩に直接聞けよ。ますますストーカー臭いぞ」
「じゃあ俺の変態というなのレッテルを剥がして来いよ」
「事実はどうにもならないだろ。」
なんかカッコいいこと言ってるが、俺が変態と言う前提がそもそも間違いである。
と、言うか山田には聞いてない。
「えっと、とりあえず高等部から入ってきて今は2年3組ってのは知ってるよ。先輩もさっきの和田君みたいに会長に生徒会に誘われてたんだ。
あ、ちなみに会長は2年連続生徒会長してるんだけどね。」
「あ、先輩のことだけでいいから」
「身も蓋もないな」
「なんでそんなに先輩に夢中なの?一目惚れしちゃったわけ?」
「なんでって…」
そう言われると困る。
何しろ理由は多くて曖昧だからだ。原稿用紙が何枚あっても足りないのでは、というくらい難しい。
「…まあ、簡単に言うと」
「言うと?」
「タスマニアデビルかな」
「…あ、次の時間学年集会だった」
「俺もいそがねーと」
「もうちょっと突っ込めよ」
「突っ込みようがねーよ」
「いやいや、俺だって頑張って考えてるけどあんな可愛いさ表現のしようがないだろ。」
「よく昨日の今日でそんなべた褒めできるな。大して知らないくせに」
「いやいや、もう7割くらいは知ったって。
小さくて可愛くて、短気で生意気で大雑把で、子供っぽくって面倒見がいのある…俺の母性をザックザク刺激してるよ」
「…そろそろチャイム鳴るし行くわ。また部活でな」
「おーう。またなー」
「俺にも挨拶しろよ」
「あー、はいはい。」
まあ、何というか。
結論から言うと俺の心の渇きが満たされるのはもう少し後になりそうだ。
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