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山田 悠斗
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「山田、しりとりしよう」
「寝ろ。」
「ロシア」
「おい」
今は夜の9時。もうすぐ外出禁止時間になってしまうと言うのに先輩が部屋に帰ってこない。
「どっかに泊まってるんじゃないのか」
「…先輩はそんな不潔なことしない」
「お前の偏見とその発想が不潔だよ」
山田は二段ベッドの下で俺が向いのパイプのベッドに寝っ転がっている。
当然俺は二段ベッドの下を志願したわけだが、二段ベッドの上の先輩は山田を選んだ。
「どうせ友達の部屋に泊まってるんだろ」
「…まあ、そうか…」
「分かったら早く寝ろ」
「山田って以外と冷たい…」
「…変態には冷たいの」
なんと。まだその設定生きてたのか。
「ていうか、そんなに柚子ちゃん先輩の身の回りのことしたいの?」
「したい」
「…俺も同室なんだからして欲しいんだけど」
「え?」
なんだお前。いきなり。凄くびっくりなんだけど。
「どうした、山田。今まで変態呼ばわりしてきた奴に身の回りの世話されたいのか?そういう趣味だったのか」
「ちげぇ。…ただ、弁当とか作ってくれたら食費代浮くし、これから部活で帰り遅くなるから助かるなーって…」
最後のほうはボソボソっと恥ずかしそうに枕に顔をうずめる山田。
可愛いな、オイ。
「山田がいいなら弁当くらい作らせてもらうぜ。」
「…マジ?一応言っておくけど、俺けっこう食うよ?」
「材料費は割り勘で出せよ」
「分かってる」
「掃除、洗濯、料理していいのか」
「そんなにしてくれんの?」
照れたようにはにかむ山田に心がちょっとキュンとする。
そういえばコイツも弟属性っていうか、弟なんだった。
「出来れば一緒にお風呂も入りたいけど、それは我慢する」
「…お前ってほm「じゃない。言うと思ったけど。」
一瞬でほのかに赤かった山田の顔が青ざめた。アルカリ性の液体ののったリトマス紙みたいだ。
「風呂は確かに嫌だけど、他はしてくれると凄い助かる」
「本当か?!いいんだな?俺張り切るぞ?明日から弁当用意しちゃうぞ?」
「あ、でも明日は朝練あるし…」
「あぁ、それくらいどうってことないぜ。うちの兄弟も朝練あったし。ちなみに材料はすでに取り揃えてあるから心配するな。」
ぐっと親指をたてると可笑しかったのかクスクス笑った。
あぁ、なんか山田と変態以外の話題で喋ったの初めてかも。コイツもこんな風に笑うんだ…
「じゃあ早く寝ないとな」
「あぁ、おやすみ。」
「ん…」
山田 悠斗。こいつがルームメイトで良かったなと思った。
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