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ライバル
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「げほっ…いってぇ…っ」
腹を抱えてうずくまる紅谷。
俺は謝らないぞ。だって正当防衛だもん。
「ていうか、マジ超痛いんですけど。」
「え、ごめん…そんな強くしたつもりは…いや、でも本当正当防衛だし。お、俺帰る!お互いのために一連の出来事は水に流せ!
あと、集団で後日、よくもうちの奴可愛がってくれたな!って友達つれてくるの無しだからな!とにかく湿布でも貼って家帰って安静にしてやがれ!!」
紅谷が何か言う前にとりあえず鍵を開けて部屋からの脱出に成功した。
けが人を置いてくるのはどうかと思うが、一応俺が被害者だし。恨まれることはしてないはずだし。
っつーか、さっきから動機がやばい。
全速力で走ったせいか、人を殴ったことへの恐怖なのか知らないけど顔の血流もよくなってるようだし。
「ハァ…っ…俺のファーストチッスが…っ」
どうするんだ、コレ。乱暴に押し付けられた唇の感触とかご飯食べるまで残るんじゃないのかっていうくらい鮮明すぎた。
「…あー、痛ェ。」
壁にもたれかかってカサカサの唇を舐める。
殴られた腹も痛いが、心も痛い。
「ふぐっ…っご…キ、ブリ…っ」
まさかキスしてる最中にゴキブリなんて呟かれるなんて。
キスは下手じゃない。むしろ歴代の男女共が腰砕けになるくらいは上手い自信はある。
それがゴキブリってどういうことだよ。
「和田 芳人…覚えてろよ」
ぜってー、仕返ししてやる。
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