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山田 悠斗
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「ただいまー…って、和田もう寝てるのか?」
「起きてる…」
夜の7時を大分過ぎたところで山田が帰ってきた。
俺はと言うと午後の授業もほっぽりだして布団の中でぼーっとしていた。
「同じ部屋に高校生が3人も居るのに一人の時間が長くて寂しかったよ、俺は。」
「…何かあった?」
心配そうに顔を覗き込む山田に胸が熱くなる。
紅谷もこれくらい可愛かったら、俺こんなに悩まずにすむのに。
「いや、特には…。あ、昼間お前のお兄さんに会ったぞ」
「!…あ、あぁ。呼び出しされてたもんな、篠原先輩に」
「頭は悪そうだったけど、顔と人当たりは良かったな」
「ストレート過ぎるだろ」
「褒めてるだろ、ちゃんと。」
山田の顔を見たら元気が出たので布団から顔を出して山田の分のごはんを用意しはじめる。
山田は慣れないのか、机の前にぎこちなく正座している。一々やることが可愛くて目が離せないんだが。
「兄貴、俺の事なんか言ってた?」
「いや?…仲良くしてくれって言われた。」
「そっか…」
「部長ってだけあってしっかりしてそうだったな。勉強はしてないみたいだったけど。」
「そこは放っとけよ」
山田の前に昼間大量の時間を消費して作ったカレーを大量に皿に盛って出してやると感嘆の声が漏れる。
うちのカレーは玉ねぎが溶けるくらい煮込んで野菜も小さめ、子供に優しいをモットーとする中辛カレーだ。
「上手そう!スッゲー!」
「ちなみに明日もカレーだからな」
「全然いいよ、カレー好きだし!」
うわぁ、カレー大好きとか小学生かよ。うわぁ、もうがっついちゃって、くそっ!ニヤけるな俺!また変態呼ばわりされるぞ!!
「スゲー上手い!和田って料理上手いんだな!お昼の弁当もおいしかった!」
「ふへへ」
おっと、山田が可愛すぎて変な声が…。
それに気づかずカレーを頬張る山田。俺山田のお母さんになる。そして柚子ちゃん先輩のお父さんになる。…そうだ、両生類になろう。
「ていうか、篠原先輩今日も遅いなぁ。上手い飯あんのに」
「あ、あぁ。先輩朝帰ってきたんだよ。弁当受け取ってくれた」
「え…朝…?朝帰り…?」
「いや、でも先輩に限ってふしだらな事なんかするわけ…」
`うっせーな、童貞かよ'
紅谷が居たじゃないか…!あいつなら如何なる手を使ってでも先輩に手を出すはず…っは!もしかして、先輩はすでに紅谷のもので、昼間襲ってきたのは「俺の女に手を出すなよ」的な忠告だったのでは…?!
「ふぉおおおおお!!もう一回殴っとけばよかった…っ!!」
「誰を?!」
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